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第135号(2026年6月)株式市場研究会特集号

資本コストを意識した経営:批判的コメント

倉澤資成(横浜国立大学名誉教授)

〔要 旨〕

 東京証券取引所(東証)は,「資本コストと株価を意識した経営」を要請している。「株価を意識した経営」には特段の異議はなく,このコメントの対象は,「資本コストを意識した」の部分に限定される。東証が公開している一連の資料から,資本コストとは「自社」の資本コストを指していることがわかる。このため,このコメントの目的は,「自社の資本コストを的確に把握して,それを経営に活用すべき」という要請に対する批判的な検討になる。
 具体的に言うと,「自社の資本コスト」は,東証が期待する,
 (a)収益計画や資本計画の方針の決定;
 (b)収益力・資本効率等に対する目標の設定;
 (c)事業ポートフォリオの見直し;
 (d)設備投資・研究開発投資・人的資本への投資等を含む経営資源の配分等;
のような目的には基本的に役に立たない,を明らかにする。

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