第135号(2026年6月)株式市場研究会特集号
TOKYO PRO Marketの発展要因に関する一考察
―フィリップ証券が果たした役割を中心に―
船岡健太(九州産業大学商学部教授・当研究所客員研究員)
姚智華(北九州市立大学経済学部准教授)
- 〔要 旨〕
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一年間の新規上場企業数を市場区分別で見た場合,2024年まではグロース(2022年4月3日まではマザーズ)に新規上場する企業が最も多かったが,2025年はTOKYO PRO Marketにおいて上場を行う企業が最も多かった。このように新規上場市場の中心的存在となったTOKYO PRO Marketであるが,同市場の前身であるTOKYO AIMは2009年の市場開設後においては一号案件が誕生するまでに2年を要し,その後においても新規上場企業数は伸び悩んだ。
このような同市場の黎明期において,アドバイザーとして支えたのがフィリップ証券であった。本稿の分析において,フィリップ証券が約7割の新規上場企業のアドバイザーを務めたアドバイザーの参加企業が限定的であった期間とアドバイザーの多様化が実現した期間について,新規上場企業の特徴を比較したところ,アドバイザーが多様化した期間において企業規模や収益性の面で優良な企業が新規上場を行っていることを確認することができた。この状況はTOKYO PRO Marketのレピュテーション向上による変化であると解釈することができる。