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第46号(2004年6月) 金融ビッグバン後の投資信託の現状と課題

投資信託における債券取引の現状と債券取引の電子化について

石原雅行(日興アセットマネジメント債券運用部長)
米村浩(東海大学助教授)

〔要 旨〕

 投資信託をはじめとした機関投資家の債券取引において,電子取引が注目されている。本稿では,海外の債券市場の電子化の流れや,バックオフィスの電子化の動向,投資信託における固有の事情などの関連について論述する。まず,II章の投資信託の債券取引のサーベイにおいて,投資信託が,他の投資家に比べれば,短期債や現先の売買が中心で,かつ,非投機的な投資行動をとっていることを明らかにした。次に,III章の債券の電子取引のサーベイにおいては,対顧客取引市場において,海外市場などが先行して,マルチ・ディーラー・システムの採用による競争的な価格決定と,バックオフィスを含めた電子化(STP化)の進展が顕著であることを示した。以上のサーベイを受け,債券取引の一般的な電子化の問題点として,業者の手数料収入確保の問題,投資信託等顧客側の取引コストの問題,リスク管理の問題,を挙げたが,本稿では,さらに,II章で触れたような投資信託などの機関投資家の固有の投資行動(売買対象や保有期間,売買タイミング,売買頻度)が,コスト意識を通じて,債券電子取引の参加姿勢に影響を与える点も指摘した。また,電子取引が現状では万能なものではなく,デリバティブなどの取引においては,旧来のヴォイス取引も一定の経済性・合理性を有していることも付言した。

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