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第46号(2004年6月) 金融ビッグバン後の投資信託の現状と課題

投資信託の運用・管理の不均衡
―外国証券事務管理の観点から―

江良明博(ステート・ストリート信託銀行グローバルカストディー統括副本部長)

〔要 旨〕

 投資信託のわが国の証券投資における地位はゆるぎないものとなっている。数度にわたる証券投資信託法の改正,同外国為替管理法の大改正という規制緩和により投資信託は更なる変貌を遂げた。販売経路の多様化,運用手法の進化,ディスクロージャーの充実などその展開はとどまるところを知らない。ところが,投資信託の制度は証券業界と信託業界に跨るプロダクトであるにもかかわらず,信託財産の運用と管理の世界に法的にもその担い手としても分断されている感があり,必ずしも両分野の発展過程は均衡してはいない。特に信託銀行による信託財産の管理という局面から見た場合,法的にも当時からほとんど変化していない嫌いがある。一例として,管理面から見て信託としての位置づけを越えない投資信託はその外国証券投資管理面で運用の世界とは異なった特有の問題に直面する。日本の投資信託の構造は現在必ずしも国際的な有価証券投資の世界で理解されているわけではない。国際租税条約においても信託は導管との見解が大勢を占めつつあり,日本の投資信託が契約型である点,最終投資家の認識等で概念的にも実務的にもその適用に特有の問題が発生しがちである。各国別の問題点を例示しつつ解決の糸口を探る。

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