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第136号(2026年9月)

職場で行う金融経済教育の効果について

江淵剛(公立諏訪東京理科大学共通・マネジメント教育センター講師)

〔要 旨〕

 本研究は金融経済教育について,特に職場で行う金融経済教育の効果について実証分析を通じて明らかにすることを目的としている。金融経済教育が展開される場として学校や家庭に加えて職場が挙げられる。本研究では日本証券業協会(2024)の個票データに基づき,金融経済教育の効果をめぐって実証分析を行った。実証分析結果から次の3点が明らかとなった。第1に,金融経済教育は有意に個人の金融リテラシーを高めている。第2に,金融経済教育の種別に着目すると職場,家庭での実践が,金融リテラシーの向上と有意に関係していた。第3に,金融リテラシーと具体的な金融行動とは有意に関係しており,金融リテラシーが高まるほど,NISA口座開設や投資行動に結びついている。金融経済教育の効果について,金融リテラシー向上に際して職場での実践が有する効果がうかがわれた。一方で今後の研究課題として金融経済教育の中身,質をめぐる検討に期待したい。職場,学校,家庭といった各々の金融経済教育のどのような内容が,金融リテラシーや金融行動に対して効果的であったのか。投資をはじめ具体的な行動変容に至るまでには,学校段階からの切れ目のない教育の実践や家庭での取り組みなど各々の場面での金融経済教育の実施が必要ではないか。また職場においては,企業型DC実施に際する投資教育の存在や影響も考慮に入れることが望ましい。

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