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第72号(2010年12月) サブプライムショック後のヨーロッパ金融・資本市場

国際金融危機とリーマン・ショック下のドイツ銀行業

藤澤利治(法政大学教授)

〔要 旨〕

 2007年夏から,アメリカにおけるサブプライム・ローン関連の金融危機がヨーロッパとドイツにも波及し,翌2008年秋にはリーマン・ショックによる世界同時不況にヨーロッパもドイツも深く巻き込まれた。
 本稿は,ヨーロッパの経済大国ドイツがこの金融・経済危機にどのように見舞われ,そこからどのように脱出したか,また,この危機がドイツ銀行業にどのような影響を残したかを分析している。
 ドイツでは,近年輸出依存度高めていたために,今回の金融・経済危機では主軸となる輸出産業が急激な生産縮小に陥り,ドイツ経済は戦後最大の不況となった。その後世界的に金融・経済危機が落ち着いてくると貿易も回復し,それにともなってドイツ経済も急回復している。
 問題は,このような順調な景気回復にもかかわらず,ドイツの銀行業が危機を克服できずにいることである。ドイツの銀行システムは「3本柱構成」と呼ばれる特徴的な構成となっているが,その問題点も明らかにしようとしている。収益状態が悪化・不安定化している大信用銀行,ランデスバンクそして信用協同組合の上部機関ではすでに再編過程が始まっており,今後も経済環境の変化には,業態をまたいだ柔軟な対応を迫られていると言えよう。

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