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第32号(2001年7月) 変革期の資産運用業

証券市場の構造改革と資産運用管理産業

丸淳子(武蔵大学教授・当研究所客員研究員)

〔要 旨〕

 株式持ち合い解消の動きが激しくなってきている。おりしも,日本経済は不況脱出の出口が見つからず,株価を上昇させる機運がないなか,解消売りによってさらに株価下落が懸念されている。緊急経済対策の一環として株式市場の構造改革が取り上げられ,株式取得機構の創設が議論されている。株価下落は株式持ち合いの大きい金融機関や事業法人の経営を圧迫するから,株価取得によって株価下落を支えようという意図である。このような政策は,持ち合い解消の対象となっている株式を一様に買うならば,企業を評価するという株式市場の機能を放棄することを意味する。株式市場では企業を選別することが本来の機能である。企業評価は個人投資家よりも機関投資家,すなわち,資産運用管理会社が優位であるから,株式市場改革とは資産運用を効率的に行うような改革ということになろう。この結果,企業が正当に評価・選別され,個人の資産がそのような企業で効率的に使用されることによって,運用成果を享受できる。日本の資産運用管理産業には多大の期待をしたいところであるが,課題も抱えている。

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