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第124号(2023年12月) 日米資本市場研究会特集号

欧州におけるグリーン・シップファイナンス
—グローバル造船への融資と信用保証—

掛下達郎(福岡大学商学部教授・当研究所客員研究員)

〔要 旨〕

 現在,グリーンファイナンスが,注目を集めるトピックスになっている。学会においても,様々な講演・報告がなされている。しかし,学会では温室効果ガス削減,環境・社会・ガバナンス(ESG),持続可能性に関する新たな取り組みの法律,整備,可能性を扱ったものが多い。本稿では,欧州の造船業で,グリーンファイナンスが現在どのように進展しているかを考察する。温室効果ガス(GHG)削減が最も進んだ欧州の一産業におけるグリーンファイナンスの進展を具体的に追跡するのである。その際に,まず「①融資先や信用保証される融資に関与する企業は,国内企業なのか,それともグローバル企業なのか? ②融資先や信用保証される融資に関与するのは,国内造船所なのか,それともグローバル造船(数か国による船舶の設計や建造等)なのか?」という分類をおこなってみた。これによって,①大国である独仏英とその他の国々,②金融機関の発展した独仏英とその他の国々では,金融機関のシンジケートローンと輸出信用機関の信用保証には,その融資に関与するのが「①国内企業・造船所なのか,それとも②グローバル企業・造船なのか」について,違いがみられることが明らかになった。また,欧州におけるグリーン・シップ(船舶)ファイナンスでは,各国の輸出信用機関は,日本以上に各種の融資とその信用保証をおこなっている。

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