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第93号(2016年3月)

アメリカ国債流通市場における価格形成に関する実証分析をサーベイする

福田徹(当研究所主任研究員)

〔要 旨〕

 アメリカ国債流通市場の電子化が進展している。同市場はその機能や参加者の違いによって,投資銀行とその顧客である機関投資家間で実行されるものとインターディーラー・ブローカーを仲介者として行われる投資銀行間等のものに分けられる。後者については,インターディーラー・ブローカーなどが開発した電子取引プラットフォームを利用した取引が拡大しており,国債全体の50〜60%,オン・ザ・ラン銘柄に限ると90%程度のシェアになるとされている。
 本稿は,インターディーラー・ブローカー市場における国債のオン・ザ・ラン銘柄の流動性に対する様々な実証研究をサーベイすることを目的としている。さらには,電子取引プラットフォーム普及以前と以降の変化の比較も行っている。その結論であるが,ビッド・アスク・スプレッドおよび注文板の厚みという観点から流動性を評価すると,電子取引プラットフォームは国債流通市場のそれを高めているというものになった。これは,インターディーラー・ブローカー市場におけるオン・ザ・ラン銘柄の取引という限られた範囲ではあるが,電子化されたオーダー・ドリブン型の市場の有効性を意味していると解釈されよう。

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