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第41号(2003年3月) 公社債流通市場改革と国債管理政策

国債管理政策と市場の関係

小林和子(当所理事東京研究所主任研究員)

〔要 旨〕

 国債管理政策という言葉は昔から知られているが,日本では本気で考えられたことはないといっては過言であろうか。国債に関する政策はあっても,大方は発行・償還政策であり,発行市場,流通市場を考慮に入れた政策が考えられたことはほとんどないとはいうことができよう。最初に日本における国債管理政策の概略の歴史をみたが,その大半は「管理」の名に値しないものである。国債管理政策が存在しなかった理由の大きなものは,本来最もそれが必要とされた最大の危機時――戦時国債の戦後処理期に,予想以上のインフレーションの急進展で債務の実質的減価が進み,財政の債務負担が激減して,管理政策の必要がなくなったためである。これ以後,財政法の規定(国債発行の原則禁止),成長経済下の金融市場の拡大,その他の事情により,国債管理政策に対する強い要請は生まれなかった。現在につながるここ数年が,歴史的に初めて国債管理政策が要請されていると認識する。
 現在の国債管理政策に関しては,2000年9月以来開催されている国債市場懇談会の議論を,筆者の判断で管理政策と市場政策に区分けして,総合評価を試みた。最後に,公社債市場の展開・発展と国債管理政策のあり方を考察して,市場が国債管理政策に要求するものを探りたい。

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