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第112号(2020年12月)

バイアウト・ファンドのターゲット選択に関する実証分析

河西卓弥(熊本県立大学総合管理学部准教授)
川本真哉(南山大学経済学部准教授)

〔要 旨〕

 本稿では,近年世界的に活発化しているバイアウト・ファンドの行動を明らかにするため,ファンドのターゲット選択,およびその形態の決定要因に関する仮説を,包括的に取り上げ検証した。まず,ファンドのターゲット選択に関するロジットモデルの推計結果から,ファンドは倒産リスクの高い企業,経営陣の持分が小さくエージェンシー・コストの発生していると考えられる企業を買収していることが明らかとなった。ファンドは“operational engineering”やインセンティブ・リアライメントにより企業価値の向上を図っていると推測される。
 ファンドの買収における上場維持と上場廃止の選択に関する多項ロジットモデルの推計からは,株式市場における過小評価は,上場維持の選択には影響を与えないが,上場廃止の選択の可能性を高めることが示された。非上場化によりアンダーバリュエーションやそれに伴い発生するコストの削減がより行われるためと考えられる。また,倒産リスクは上場維持の可能性を高める一方,上場廃止の意思決定には影響を与えないことが明らかとなった。倒産リスクが高い企業に対しては投資規模を抑えている可能性がある。その他,上場維持コストの削減を目指し,上場廃止の選択をしている可能性が示された。海外ファンド・国内ファンドの選択に関する多項ロジットモデルの推計結果からは,国内ファンドの方が倒産リスクの高い企業を選択する傾向が見られた。

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