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第112号(2020年12月)

Token Offeringを巡るSECの規制的対応

若園智明(当研究所主席研究員)

〔要 旨〕

 本稿は,DXにより変化が予想される資本市場取引の中でもDLT上で発行されるDigital Tokenによる調達行為(Token Offering)を分析対象とする。米国国内のToken Offeringに対する米証券取引委員会(U. S. Securities and Exchange Commission,SEC)の規制的対応を整理するとともに,その機能が類似している投資型クラウドファンディングを例に,2012年のJOBS法に基づきSECが導入したReg. CFを参照しながら,これまでのToke Offeringを巡るSECの規制対応の評価を試みる。わが国でも,金融庁が2020年8月に公表した「令和2事務年度金融行政方針」の第2節の第1項「市場の国際競争力」において,「金融テクノロジーの分野における,分散化やクラウド等の技術進歩」が国際的な金融ビジネスで観察されると指摘されており,SECの対応の検討はわが国でも有益となろう。
 金融・資本市場では,これまでもFinTechと呼ばれる新技術の適用による付加価値の創出が試みられてきたが,DXは市場の基盤機能の再構築も可能とするため,市場の根幹からの効率化や多様化が期待される。DXの中でも分散型台帳技術(DLT)や人工知能(AI)等の本格的な導入により,①既存の市場機能の代替(新技術による部分代替がもたらす効率化)や②従来の市場の境界が撤廃されることで産み出される新市場,などが予想される。金融・資本市場の学術分析にとって,DXにより部分・完全代替が予想される市場機能の特定と代替による機能改善や,新市場による経済成長の促進などの検討は必須となろう。

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