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第36号(2002年3月)

アメリカにおける州預金保険の性格

磯谷玲(宇都宮大学助教授・当所客員研究員)

〔要 旨〕

 市場経済化の流れのなかで,国家の公共的機能は如何に果たされてきたか,あるいは果たされなければならないかという問題は重要な課題となっている。アメリカにおいては一般的印象と異なり,様々な資産に対応した連邦政府の保険プログラムが存在する。預金保険制度はその嚆矢であり,これに続く連邦保険プログラムに大きな影響を与えてきた。しかし,歴史的には連邦預金保険制度に先行して各州レベルでの預金保険制度が実施されており,連邦預金保険制度もこうした各州の経験の上に創設されている。したがって,連邦預金保険制度の性格を考える上で各州の預金保険制度の態様を明らかにすることは必要な作業であると考えられる。  本稿では,以上のことから,各州預金保険制度の特徴ならびに導入の背景を検討し,預金保険制度の性格を分析した。
 投機的なものも含め,旺盛な資金需要に応えるための銀行信用の供給と,それゆえの紙券の安全性・確実性の低下が預金保険制度導入の大きな契機であり,この意味で預金保険制度は金融機能の一翼を担うものであった。

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