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第89号(2015年3月) 公社債市場の変遷を辿る

わが国債券流通市場構造の近時の特徴を探る

岩井宣章(日本女子大学非常勤講師)

〔要 旨〕

 近時の債券流通市場構造の特徴を探るため,マーケットメイクを中心とする「債券ディーラー」取引の実態および市場関係者の指摘の多いヘッジファンドの取引状況につき状況証拠を積み重ねる形で検証する。
 流動性が高い国債は,マーケットメイクにあたる債券ディーラーと対投資家との売買だけでなく債券ディーラー同士の売買が同程度存在する。他方,一般債については,そのほとんどが対投資家との売買である。それだけに一般債市場の拡大・深化には債券ディーラーによるマーケットメイク機能の十全な発揮に期待がかかるが,それにはバイ・アンド・ホールド中心のわが国投資家層の特性などのほか,ショート・ポジションを可能とするレポ市場の未発達などその機能発揮を制約する課題も少なくない。
 また,海外投資家による相場形成等市場への影響力が強まる中で,2000年央頃からはヘッジファンドによる取引も一定程度これに貢献するようになっていると推定できる。もっとも,海外投資家そしてヘッジファンドによる取引の主体は国債と国債のデリバティブ取引である。

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