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第134号(2026年3月)

老後のための資産形成
―公私年金・退職金の統合勘定の設計と管理

田近栄治(一橋大学名誉教授)
山田直夫(当研究所主任研究員)

〔要 旨〕

 わが国では,老後のための資産形成として公私年金の他に退職金も大きな役割を果たしている。そこで資産形成支援制度については,公私年金と退職金を合わせてそのあり方を考えることが重要である。また,個人の生涯にわたる公的年金及び私的年金・退職金の拠出(相当掛金)額と資産額を一覧できる仕組みである統合勘定を構築することが,資産形成の支援に資すると考えられる。本稿ではこうした問題意識の下,公私年金・退職金の統合勘定の設計と管理について議論した。
 まず,老後のための資産形成支援制度について国際比較を行い,わが国の私的年金の拠出限度額がアメリカやイギリスと比較して非常に低い水準であることを明らかにした。続いて,統合勘定の設計に関して,DB年金・退職金の確定拠出相当掛金額の算定方法,及び共通非課税拠出枠の設定方法を示した。次に統合勘定の管理に関して,デジタルサイトを立ち上げ,マイナポータルと連携することを提案した。さらに,設例を用いて統合勘定のイメージを提示した。そして,現状では老後のための資産形成において公的年金が重要な役割を果たしていること,私的年金・退職金の共通非課税拠出枠を大胆に拡大することにより,日本における老後のための資産形成支援を強化できることを示した。

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