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第133号(2026年2月)アジア資本市場研究会特集号

構造変化下のインドの金融・資本市場

西尾圭一郎(大阪公立大学大学院経営学研究科准教授)

〔要 旨〕

 金融システムは経済発展に重要な役割を果たす。インドにおいてもそれは例外ではない。経済自由化までのインドでは銀行部門が金融システムの中心として機能しており,現在でもState Bank of Indiaを筆頭に公的部門銀行が非常に大きな役割を果たしている。その一方で公的部門銀行は国策への傾斜も含め,非効率な経営が行われることがあり,不良債権問題も生じていた。近年に入り,経済成長を遂げているインドでは,銀行部門に課せられた重荷もあり,証券市場やノンバンクの成長によって金融仲介の複線化が進んでいる。銀行部門と比較した証券市場時価総額はアジア域内では類を見ないほどに拡大しており,ノンバンクも多様な業態の存在と持続的な規模拡大を続け,インド経済の重要な成長基盤として機能している。さらに社会・経済のデジタル化と金融包摂とが進んだ結果,フィンテック企業の興隆や決済のデジタル化など,金融サービスの提供構造の変化も生じている。本稿では,経済成長のなかで変化を遂げているインドの金融システム構造について,とりわけその複線化の構造に焦点を当て,現状を分析するものである。

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