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第133号(2026年2月)アジア資本市場研究会特集号

所得変動と中国家計のポートフォリオ選択行動

馬欣欣(法政大学経済学部教授)

〔要 旨〕

 本稿では,2010~2018年中国家庭パネル調査のデータを活用し,固定効果モデル,ランダム効果モデル,および傾向スコアマッチング法を用い,個人間の異質性や非ランダムな選択バイアスの問題に対応し,所得変動が家計のポートフォリオ選択行動に及ぼす影響に関する実証分析を行った。実証分析の結果から,主に以下の2点の結論が得られた。第一に,所得変動が大きいほど,リスク性金融資産保有の確率および保有量がともに低下する。一方,所得水準が高いほど,それらは増加する。内生性への対応を含む頑健性チェックの結果からも,これらの結論は支持された。第二に,所得変動および所得水準の影響は個人属性のグループによって異なる。所得変動がリスク性金融資産保有に与える負の影響は,中高年層および都市戸籍者が若年層および農村戸籍者より大きい。以上の結果は,家計所得を安定化させる経済政策が家計の金融市場への参加を促進し,リスク性金融資産の保有拡大に寄与する可能性が示唆された。

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