〔講演〕日本のインテリジェンスの現状と課題
小谷 賢(日本大学危機管理学部教授)
皆様、こんにちは。日本大学危機管理学部の小谷でございます。本日は、「日本のインテリジェンスの現状と課題」と題しまして、「インテリジェンス」とは何か、日本が直面しているインテリジェンスの課題、そして、高市政権のインテリジェンス改革はどのような方向性で進むのか、主にこの3点についてお話しさせていただきます。
1.インテリジェンスとは
それでは、早速、中身に入ります。
「インテリジェンス(intelligence)」というと、英語の授業で習ったように、普通は「知性」と訳します。しかし、ここでは「情報(information)」という意味で用いています。それなら「インフォメーション」ではないかと思われるかもしれませんが、「インフォメーションは加工されていない生情報」、インテリジェンスは「分析・加工して何らかの目的のために使う情報」と、微妙に異なります。
この話をするときに、私がよく引き合いに出すのは天気予報です。気圧配置、風向き、衛星写真などのデータは全てインフォメーションで、それらを気象予報士が分析・加工することによって天気予報という形のインテリジェンスになります。我々が必要としているのは、気圧配置図の話ではなく、明日は雨なのか晴れなのか、寒いのか暑いのかという情報です。そして、外出するときに天気予報を見て、雨の予報であれば傘を持って行こうというふうに行動につなげるわけです。
つまり、インテリジェンスとは、データやインフォメーションといったファクツ(facts:事実)を積み上げ、論理的な考察から導き出された、判断、決定のための情報です。ポイントは、分析済みであること、そして、判断や決定につなげるための情報であるということです。国のレベルにおいては、内閣総理大臣や各省庁の大臣が政策決定するために上げる情報、これがまさにインテリジェンスです。
図表1は、私が作ったイメージ図です。世の中、特にネット空間には雑多な情報があります。そこから使えそうなものを取り出し、自分の目的や行動に合うように組んでいくということです。例えば沖縄旅行をする場合、何時の飛行機に乗るか、どんなホテルに泊まるか、どんなレストランや観光名所に行くか、様々な情報を集めて最終的に自分の旅行日程に合ったものを練り上げる、これがインテリジェンスの基本的な考え方です。
図表1

個人であれば、情報収集も分析も自分自身で行えばいいのですが、組織の場合は分担作業ですから、情報を扱う人と、それを受け取る人は、基本的に別となります。組織の中には必ず、情報が必要な「カスタマー」がいます。民間企業であれば、例えば企画を考えるため、国であれば、時の政権が政策を決めるために様々な情報が必要ですが、カスタマーはその情報を自分では集めません。忙しくて、そんな暇はないからです。そこで情報部局に、こういう情報が欲しいというニーズを出します。それが「リクワイアメント(requirement)」です。情報サイドは、そのリクワイアメントを受けてデータ収集、分析・評価を行い、最終的に加工したインテリジェンスをカスタマーに届け、カスタマーはそれを基に何らかの判断を行います。この一連の流れが「インテリジェンス・サイクル(intelligence cycle)」で、インテリジェンスの運用の基礎的な概念です。
これは、レストランをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。例えば、客(カスタマー)がラーメンを注文した場合、シェフ(情報サイド)は材料を集めて調理し、提供します。ここで大切なのは、客の要求に応えているかどうかです。客がラーメンを注文しているのに、シェフが勝手に自分のお勧めのギョーザを作って持って行ったら、客は当然、「こんなものを頼んだ覚えはない。食べたくない」ということになります。
日本のインテリジェンスの現場では、こういったことが往々にして起こります。情報サイドがカスタマーのニーズをきちんと酌み取っていない場合、「こんな情報は使えない」とフィードバックが来ればいいのですが、実際はほとんど来ません。ですから、どんどんおかしな情報を上げるということになってしまうわけです。
図表2は、私がかつて所属していた防衛省の組織図です。現場の部隊、そして防衛省内部でもインテリジェンス・サイクルが回っていますし、総理大臣(国家安全保障会議)と防衛省の間も同様です。
図表2

現状、日本の中央の体制としては、内閣官房の中の国家安全保障局に情報を集めることになっていますが、最近、話題になっているのは内閣情報調査室で、これを国家情報局に格上げする法案が先日ようやく成立しました。内閣情報調査室の内閣情報官は、内閣危機管理監や国家安全保障局長に比べるとポジションが一つ下ですので、内閣情報調査室を国家情報局に格上げし、内閣情報官も内閣情報監にしようということです(図表3)。
図表3

内閣情報調査室を中心に見ると、図表4のような形になります。下の赤い点線で囲んだ部分が「インテリジェンス・コミュニティ(intelligence community)」と呼ばれるもので、現在、日本では、公安調査庁、防衛省・自衛隊、警察庁、外務省の4省庁が情報を担当しています。公安調査庁は全体でインテリジェンスを集めていますが、防衛省・自衛隊は情報本部、警察庁は警備局、外務省は国際情報統括官組織と国際テロ情報収集ユニットという部局がインテリジェンスを扱っています。このインテリジェンス・コミュニティには、必要に応じて他の省庁の担当者も入ります。例えば税関を管轄している財務省、おカネの流れに関する情報を持っている金融庁、そして、経済産業省、海上保安庁です。
図表4

これらの省庁は2週間に1回、合同情報会議を開き、情報を共有しています。そこでの情報は内閣情報官に伝わり、内閣情報官は週に2回、首相にブリーフィングを行います。つまり、各省庁の情報が内閣官房に一旦入り、総理大臣に伝わるという形が制度上作られているのですが、実際にはそのとおりになっていません。なぜなら、各省庁は総理秘書官を通じて、総理大臣に直接情報を上げることができるからです。その結果、本来であれば情報の流れを差配するはずの内閣情報調査室があまり機能していません。そこで、内閣情報調査室を国家情報局に格上げし権限を強化することで、各省庁はまず必ず内閣官房に情報を出し、そこから内閣情報監が国家情報会議に上げるという運用に変えようとしているわけです。
2.我が国のインテリジェンス上の課題
次に、我が国のインテリジェンス上の課題です。
インテリジェンス改革の議論の際、いつも出てくるのは組織論です。しかし、それよりもむしろ、どういう分野でどういう情報が足りていないのかという観点で考えることが必要です。そこで、今後の課題として、①サイバー空間にまん延している偽情報への対策、②サイバー対策、③経済安全保障対策、④高市政権のインテリジェンス改革、これらの点について説明させていただきたいと思います。
まず、偽情報対策です。
図表5は、国内的なサイバー空間と国際的なサイバー空間を合わせた図です。国内では、サイバー犯罪について様々な法律や制度が整っており、例えば、他人のIDやパスワードを使って不正にコンピューターに侵入した場合、それは不正アクセス防止法によって罰せられます。一方、国際的・軍事的な領域では、そう簡単にはいきません。サイバー空間でこれを行った場合、戦争行為とみなしますということは「タリン・マニュアル」で定められていますが、あくまで西側がやってはいけないと言っているだけで、ロシアや中国は認めていません。したがって、そのあたりは微妙です。
図表5

そして、国内的なサイバー空間と国際的なサイバー空間の間には、広大なグレーゾーンの世界があります。具体的には、SNS上の情報操作(偽情報の流布)、プロパガンダ、平時以上有事未満のサイバー攻撃等です。グレーゾーンの領域は国際法で取り締まることができないため、ロシアと中国はこの無法地帯を活用して優位に立とうとしています。それがロシアのハイブリッド戦争であり、中国の認知戦です。
同様に、インテリジェンスについても国際法が定められていません。つまり、サイバーとインテリジェンスはともにグレーゾーンの領域での活動で、親和性が非常に高いということです。したがって、欧米、中国、ロシアでは、国家間のサイバー攻撃や防御などについては、高い技術を持ち、グレーゾーンでの活動を得意とする情報機関が対応しています。
今日の話の中では偽情報とサイバー攻撃を分けていますが、両者の違いは烈度の差だけであり、やっていることは基本的に変わりません。
21世紀までの情報戦は、政府組織や軍が相手に関する情報を得て、それを秘密裏に使用し、相手に対する優位を確立することで、大事なのは情報の収集と秘匿でした。スパイや通信傍受によって内々に相手の情報を得て、それをこっそりと使うところに極意があったわけです。ところが近年の情報戦は、自らの持つ情報を開示し、自らの立場を優位にすることです。重要なのは相手にどう認知されるかという点であり、情報の正確性はあまり重要ではなくなってきています。要は言った者勝ちの状況で、サイバー空間では偽情報が氾濫しています。
では、誰がそれをやっているのか。例えば、中国のAPT41、Black Teck、Tick、ロシアのSandworm、Dragonfly、IRA、Qilin、北朝鮮のラザルスなど、国家機関が後押しするグループが存在し、日々、偽情報を流しています。ちなみに、昨年アサヒビールを攻撃したのがロシアのQilin(キリン)だったことから、ライバル会社がアサヒを攻撃したのではないかというジョークが流れました。
また、ロシア系のキルネット(図表6の左下の写真)、欧米寄りのアノニマス(右下の写真)など、非国家主体、すなわち国とは関わりを持たずに活動している在野のハッカー集団もおり、様々なグループがサイバー空間で入り乱れているのが現状です。
図表6

日本は2023年8月から9月にかけて、初の本格的な偽情報工作に巻き込まれました。皆さんも御記憶のとおり、福島原発の処理水を海洋放出するときに中国で猛烈な反発が起こり、連日、中国から福島に抗議の電話、メール、FAXが殺到しました。日本が放射能で汚染された水をどんどん海に流しているという偽情報が中国国内で広まり、それを真に受けた中国の人たちが日本に対する抗議を繰り返したからです。ただし、これはある種の官製デモです。中国政府が見て見ぬふりをした結果、偽情報が広まりに広まったのです。
順を追って説明しますと、これは本当にたまたまなのですが、2023年度、日本からアメリカへの海産物輸出額が減少したという日本の農林水産省の公式データがあり、それを中国外交部の記者会見で中国のマスコミが取り上げました。アメリカで日本からの海産物輸入額が減っているのは、放射能に汚染された海水に懸念を抱いているからではないかというわけです。その質問に対し、中国外交部は否定しませんでした。つまり、この記者の言うことを半ば認めたということです。これを受けて中国国内では、やはりそうかということで偽情報が広まり、中国のSNSにおいて、2023年の日本に関する偽情報の約7割がこの処理水の問題に集中したと言われています。
図表7は、メキシコの原油流出事故の動画です。日本とは全く関係ないにもかかわらず、中国では、「日本はひどいことをする」とキャプションを付けてばらかまれました。それを見た多くの中国人が、日本で実際にこんなことが起きていると信じ、怒ったわけです。
図表7

当時この対応に当たったのは、外務省国際原子力協力室です。中国で偽情報が広まっていることを察知すると、日本語と英語でカウンターを打ちました。SNS等で連日、科学的知見に基づいた正確な情報を発信し、反論したのです。この戦いは約1か月続きましたが、作戦が功を奏し、偽情報を抑え込むことに成功しました。
とはいえ、これはかなりリスキーな活動でした。というのも、役所から情報を発信するには幾つもの決裁が必要で、すぐにはできません。私も防衛省在職中、論文や著作を発表しようと思うと、上の決裁を取らなければいけないので、どんなに早くても1週間ほど時間がかかった記憶があります。しかし、現在の偽情報の世界でそんなことを言っていたら話になりません。1週間後に正しい情報を出して反論しても、偽情報が広まり切った後では誰も見てくれません。火事と一緒で、鎮火は早ければ早いほどよく、できれば数時間以内に自分たちの言い分をネット上に流さなければいけないのです。
では、なぜそれほど早く対応できたのか、外務省の担当者に尋ねたところ、先にカウンター情報を公開し、決済は追認という形で発信していたそうです。つまり、日本は組織として対応する体制が整っておらず、個人プレーに頼っている部分が大きいということです。さらに言えば、外務省国際原子力協力室の室長はたまたま中国語が専門だったので、自分で微博(ウェイボ)など中国のSNSを見ることができ、迅速に対応することができました。しかし、決裁を取らずに情報を出しているわけですから、何かあった場合は責任問題に発展します。うまくいったからよかったものの、失敗していたらかなり厳しい状況になったのではないかと想像します。
日本は、偽情報対策において様々な課題を抱えています。
偽情報の監視は内閣情報集約センターで実施していますが、対応は各省庁にお任せです。例えば、海外で偽情報が流れたら外務省、安全保障の分野であれば防衛省、自然災害時にデマが流れたら総務省や国土交通省と、完全に縦割りになっており、複数の省庁にまたがる事案の場合、総合的な対処が難しいのが現状です。
しかも、日本の官庁は情報を外に出したがらない上、対処にも大変時間がかかります。偽情報の場合、時間は大きな問題です。そのため、これまでさんざん中国の偽情報にやられてきた台湾の行政部は「2-2-2原則」というものを定めています。カウンターは2時間以内に、見出し20字、本文200字、画像2枚ということですが、これくらい迅速に対応しないともはや話になりません。日本も、霞が関でそういう迅速な対応ができるよう真剣に考える必要があります。
また、欧米では、反論のためにインテリジェンスを外に出すということを行っています。例えばアメリカは、実際に事が起こる前から、ロシアがウクライナに軍事侵攻すると言い続けていました。その根拠として出したのが、軍事衛星から撮影した偵察写真です。ロシア軍がウクライナ国境にどんどん集まっている、これはどう考えても侵攻する証拠だというわけです。ただし、そのまま出すと、アメリカの軍事衛星はどれくらいの正確さで地上が見えているかという機密情報を自ら知らせることになってしまうため、公開用の画像はわざとぼかしています。同様に日本も、インテリジェンスや機密情報を外に出す場合は、ぼかしやサニタイズ(情報源を特定できないように加工すること)といった技術が必要になります。
3.サイバー対策
次に、サイバー対策です。
日本に対するサイバー攻撃は、2025年以降、急激に増加しています。これはAI技術の進歩と密接な関係があります。今までは「日本語の壁」、すなわち、アルファベットを使わない、特殊で難解な言語である日本語が防御壁の役割を担っていましたが、AIが完全な日本語を作れるようになったことで、「日本語の壁」はすっかり取り払われてしまいました。「日本語の壁」にある意味あぐらをかき、サイバーセキュリティにそれほど力を入れてこなかった日本は、諸外国に比べて守りが甘いということで急激に狙われるようになったわけです。
サイバーセキュリティを強化するためには、電気通信事業者の持つ脅威情報や異常アクセスに関する情報の共有、ダークウェブ上での違法攻撃ツールの売買、情報収集に関する調査権限、諸外国機関との脅威情報やゼロデイ情報の共有等々が必要になりますが、これらはある程度権限を持ったインテリジェンス機関にしかできません。したがって、諸外国では、サイバーセキュリティもインテリジェンスの領域として認識されています。ところが、なぜか日本では、サイバーは技術だからITの専門家がやる、要は技術屋の領域という認識で、これまで真剣に取り組む機関がありませんでした。
しかし、サイバー攻撃の急増を受け、政府は2025年2月、能動的サイバー防御(Active Cyber Defense)を導入するためのサイバー対処能力強化法案を閣議決定しました。図表8は主な内容を三つ挙げましたが、特に③の、警察長官が指名した警察官、内閣総理大臣による通信防護措置に基づいて、独立機関からの承認を得た上で、サイバー危害防止措置執行官が無害化措置を行う、この点が重要です。
図表8

これまで日本は、サイバー攻撃を受ける一方でした。私はこれを「暗闇の中で盾を持って突っ立っている状態」と説明しています。盾は持っていても、暗闇で周りが見えず、後ろから不意に棒で殴られて初めて敵に気付くということが繰り返されてきたわけです。しかし、今回の能動的サイバー防御では、懐中電灯を持って自分の周りを照らし、棒を持っている危ない人がいたら必要に応じて無害化するということで、かなり前向きな対処ができるようになりました。
ただし、法律が作られただけで、まだ運用はされていません。現在、市ヶ谷に自衛隊と警察の合同機関を整備中であり、今後そこで対処することになっています。
4.経済安全保障対策
次に、経済安全保障対策です。
産業技術と軍事技術は別物という時代が長く続いてきましたが、今や最先端技術のほとんどは軍民のデュアル・ユースで、その最たるものがドローンやAIです。民間技術を貪欲に取り入れ、いざというときに軍事転用できるようになった結果、アメリカでも中国でも、エコノミック・ステイトクラフト(経済安全保障)という概念が根付きました。経済と安全保障は結び付いており、経済的合理性からのみ技術情報を考えることはできません。つまり、経済や技術は民間だけのものではなく、必ず軍事転用されるのできちんと守らなければならない、こういう時代に入ってきたわけです。
経済安全保障というと、「経済」が先に来ていることから、日本では「経済分野の安全保障」と思われがちですが、諸外国においては全く逆で、「安全保障は経済に優先する」という原則です。少なくともアメリカや中国は、安全保障のためには経済的な損得を考えている場合ではないというスタンスで突き進んでいます。
自由民主党の政務調査会も、2022年10月に公表した提言「わが国が目指すべき経済安全保障の全体像について」の中で、経済安全保障の分野でもインテリジェンス機能の強化が必要であると明確に論じています。インテリジェンス組織が入り、様々な情報活動をしなければいけないということです。
では、どのような情報が必要なのか。一つ目は、今アメリカが中国やロシアに対して何を行っているかを知らなければいけません。
特に、アメリカが四半期ごとに更新しているエンティティ(entity:取引制限)リストです。日本であろうとヨーロッパであろうと、このリストに載っている企業と取引した場合、たとえ知らなかったとしても、アメリカでの商業活動は認められなくなります。したがって、日本政府としては、アメリカが制裁対象としている企業の情報を日頃から集めておく必要があります。このエンティティリストは国ごとに作られており、中国は多くの企業が挙げられています。
ただ、アメリカは、日本の製品をバラして中の部品まで確認するということも行っています。エンティティリストに載っている中国企業が作ったパーツが入っていた場合、それはそれで問題になるため、日本のメーカーはこの点にも注意する必要があります。
二つ目は、国内の民間企業が有する機微技術の実態把握です。
例えば、1980年代、パキスタンの核開発に日本製の特殊磁石リングマグネットが使用されていたということがありました。メーカー自身も、まさかそんなことに使われるとは思いもせず、全く気付きませんでしたが、日本では、経済産業省以外の省庁は、国内の民間企業にどんな技術情報があるのかほとんど知らないという時代が長く続いてきました。ですから、日本の製品が軍事転用されると大騒ぎになるわけです。
この点について、元外務官僚で国家安全保障局次長を務められた兼原信克氏は、「そもそも日本政府内に、日本が保有する軍事転用可能な『機微技術』の全体像を把握している者がいない。逆に、米国や中国の方が日本の機微技術の全体像に詳しい」と指摘しています。国内の機微技術を守るには、足元にどんな技術があるのか、しっかり把握しておく必要があるということです。
三つ目は、中国による情報活動です。
中国は、ヒト、例えば留学生、研究者、技術開発者などを大学や研究所に送り込んで日本の技術情報を吸い上げています。逆に、日本から中国へ行き、中国の技術開発に携わっている日本人研究者もいます。報道によると、有名な中国の「千人計画」には、少なくとも24人の日本人研究者が何らかの形で参加しており、そのうちの何人かは極超音速兵器に関わる基礎研究に携わっています。
一方、アメリカでは、大学人が中国に行って研究をする場合、詳細な報告書を提出することが義務付けられていますが、2020年、ハーバード大学化学・生物学部長のチャールズ・リーバー教授が、中国での研究活動への参加に関して虚偽の報告を行ったとしてFBIに逮捕されるという事案がありました。教授は武漢理工大学から、60万ドルの年俸と年15万ドルの生活費を3年にわたって支給されていました。ここまで破格の待遇となると、政府に報告したくなくなる気持ちも分からないではありませんが、アメリカではこういった行為は違法とされています。
中国は、モノを使うことによっても様々な情報を収集しています。最も多いのは、監視カメラです。中国製の監視カメラは安くて性能がよいことから、日本国内でもかなり普及しています。ただし、インターネットに常時接続されているところが問題です。日本国内に中国製の監視カメラを設置すればするほど、中国では、日本の中の様子が手に取るように分かるようになるからです。以前は霞が関でも中国製の監視カメラを使っていましたが、これは非常によろしくないということで、国レベルでは取り外しが進んでいます。ちなみに、ファーウェイ、ハイクビジョン、センスタイム、DJIなど、中国のメーカーはほぼ、先ほど申し上げたアメリカのエンティティリストに載っています。
最近さらに問題になっているのは、中国製の電気自動車です。そこに備え付けられている車載カメラは、言ってみれば動く監視カメラだからです。日本ではまだ対応が後手に回っていますが、アメリカでは、軍事施設内を中国製のEV車で走行することは禁止されています。また、公共交通機関への中国製EVバスの導入は禁止されていないものの、補助金の対象外ということで、導入する自治体はわずかです。
中国は、おカネ(投資)によっても情報収集しています。ある会社の株式を51%取得することにより、その会社が持っている技術情報を取得するわけです。実際はそんなに単純な話ではなく、幾つもたどっていかないと分かりません。例えば、A社の株式をB社が51%、C社が49%持っている場合、B社が取れます。そして、今度はC社を使ってB社の株式を取得し、さらにC社の背後にいるD社を使ってC社の株式を取得する、こういうやり方でこれまで次々と技術情報を吸い上げてきました。しかし、先月末、外為法が改正されたことで、このあたりについては今後規制が進んでいくだろうと思います。
中国は、サイバーによっても様々な情報を抜き取っています。オーストラリアは、外国のスパイ活動によって自国の産業がどれくらい損害を受けているか、2024年に初めて試算を行い、年間約1.2兆円という数字を出しています。日本はもっと多くの損害を受けていることが予想されますので、きちんと試算し、実態を把握すべきです。
そこで、民間企業にもセキュリティ・クリアランス(security clearance:SC)を導入することが決まりました。セキュリティ・クリアランスは、機密情報に触れる必要のある人物の安全性を国が保証する制度です。安全性とは、情報を外に漏らす危険性が限りなく低いというものであり、その人物が外国政府の影響を受けているのか、借金はないか、薬物依存に陥っていないか等、国の機関が調査し、問題がないと判断されれば、年限を付けて機密情報へのアクセス権を与えるものです。2013年の特定秘密保護法制定により、国家公務員と一部防衛装備品の契約業者には既にSCが付与されていますが、これを民間にも導入しようというわけです。
アメリカでは、現在400万人のSC保有者がおり、そのうち120万人(30%)が民間事業者です。取得するのに100万円ほどかかるものの、うまくいけば年収が1.5倍くらい増えることから、100万円払っても取得したいという流れです。片や日本では、個人情報を出すのは嫌だと、なぜかマイナスのイメージで捉えられています。
しかしながら、民間企業の一部はSCの導入を希望してきました。国際的な共同技術開発など、SCがないと参加できないケースが増えているからです。アメリカ、イギリス、オーストラリアは民間企業もSCを持っているため、この3か国であれば最先端の国際共同技術開発を行うことができますが、SCを持っていない日本の民間技術者は、参加したくても入れないというわけです。
そんな中、ようやく2024年5月に「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」が成立したことで民間企業にもSCが導入され、コンフィデンシャル・レベル(confidential level:漏洩した場合、国の安全保障に支障を来す情報)へのアクセス権の認可、クリアランスの年限は10年、故意の漏洩は、最長5年の拘禁刑や最高500万円の罰金刑が定められるところまで来ました。しかし、運用はまだ追い付いていません。
今、コンフィデンシャル・レベルと申し上げましたが、国と民間でアクセスできる情報のレベルは異なります。国のSC保有者は、特定秘密であるトップシークレット(Top Secret)及びシークレット(Secret)、そしてコンフィデンシャル(Confidential)と全レベルの情報にアクセスできるのに対し、民間のSC保有者はコンフィデンシャル・レベルのみです。とはいえ、国と民間で最も共有しなければならないのはサイバーセキュリティ分野の情報です。したがって、いつ、どこに対してどんな攻撃があったという情報をお互いに共有できるのであれば、当面はこのような制度設計でよいのではないかと思います。
ただし、これはまだ始まりにすぎません。現在、日本政府は、アマゾンやグーグルといったアメリカ企業が提供するクラウドに自分たちの情報を全部置いています。しかし、それはセキュリティ上よろしくないということで、国内事業者が政府クラウドを作っているところです。そういうものがサイバー空間上に作られたら、国も民間も様々な情報を入れるわけですが、中の情報が漏洩しないよう強固なセキュリティをかけ、官民問わずSCの保有者がこのクラウドにアクセスして必要な情報を出し入れできるようにするというのが、将来的なビジョンかと思います。ただ、そこまでいくにはまだ少し時間がかかりそうです。
5.高市政権のインテリジェンス改革
最後に、高市政権のインテリジェンス改革について説明したいと思います。
私も何度かお話しさせていただいたことがありますが、高市氏は総理大臣になる前からずっと、インテリジェンス改革が必要だとおっしゃっていました。そして、高市政権が誕生し、昨年10月に維新の会との間で連立合意文書が交わされ、12の政策項目の一つとしてインテリジェンス政策が掲げられました。その主な内容は、①国家情報局及び国家情報会議の設置、②スパイ防止関連法制の検討と速やかな法案策定・成立、③対外情報庁(仮称)の創設です。高市政権はこれを基にインテリジェンス改革を進めています。
先月末、国家情報局設置法が成立しました。これは、現在の内閣情報調査室を国家情報局に、内閣情報会議を国家情報会議に、それぞれ格上げするものです。内閣情報調査室には根拠法がなく、これまで運用ベースで動いてきました。先ほど申し上げたとおり、各省庁は内閣調査室に情報を出す義務はありません。内閣官房をパスし、総理秘書官を通じて総理に直接情報を上げることができるわけです。
しかし、それでは様々な不都合が生じます。これは私がある内閣官房長官経験者の方から聞いた話ですが、「各省庁の秘書官が多くの情報を持ってくる。気が付くと机の上は書類の山になっているけれども、全て読めるわけがない。総理大臣の所へ行くときは一番上のものだけ持って行って、あとは捨てる」とおっしゃっていました。さすがにひどい話で、本当なら、各省庁がバラバラに持ってくる情報をきちんと整理してまとめる、いわば交通整理の役目を内閣情報調査室に与えないといけないのですが、その権限はありません。よくそれで戦後70年以上やってきたなと思いますが、ようやくここに来て国家情報局設置法が成立しました。これにより、各省庁は基本的に、内閣情報調査室から格上げされた国家情報局をパスして総理大臣に情報を上げることはできない。そして国家情報局は、必要に応じて各省庁に情報提供を要求できる総合調整権を持つという形になったわけです。
つまり、今回の国家情報局設置法は、国家情報局に法的な権限を与え、きちんと機能するようにするというのが基本的な考え方です。
政治の側では、国家情報会議を新設し、総理大臣以下、各担当大臣の出席が義務付けられました。これは既存の国家安全保障会議と同じ日に行います。まずは国家情報会議を開き、連続して国家安全保障会議を開くことで、情報共有と政策決定をうまくつなげようとしているわけです。
日本の総理大臣は、総理大臣になって初めて内閣情報官のブリーフィングを受けるのが慣例でした。最初は戸惑いつつも、やっと慣れてきたと思ったら、日本の総理大臣は短命なことが多く、1年か2年で辞めてしまう。次の総理大臣が就任してもまた同じことの繰り返しで、インテリジェンスを基に国を回すということが全く根付いてきませんでした。今回、国家情報会議を作ったのは、総理大臣以下、各大臣、すなわち将来の総理大臣候補者もそこに入って情報共有を行い、それを基に政策決定するというスタイルを根付かせる意味合いもあるのではないかと私は見ております。
今年3月に出された自民党政調の報告書では、その様子を「寿司屋のお任せ状態」と表現しています。何でもいいから出されたものを食べて満足するということではいけない。情報サイドに適当に情報を出してもらうのではなく、政治家の方からきちんと「この情報が欲しい」と言わなければならないということです。
ただ、懸念点もあります。法案審議の際、私も参議院の内閣委員会で話をさせていただきましたが、国家情報会議を国家安全保障会議と同格とするならば、少なくともウェブサイト上での議題の公表と、議事録の将来的な公開が必要になるのではないかと思います。
また、現在の内閣情報調査室の幹部人事は、70数年間、内閣情報官が警察官僚、次長が外務官僚という配置で固定化されてきました。しかし、内閣情報官は国内よりも国外の情報収集が求められており、そのポストをずっと警察官僚が担っていていいのかという問題があります。この点について、同じく自民党政調の報告書では、「特定の省庁の出身者の指定席とするべきではなく、人物本位・能力本位での任命を徹底すべき」と書かれています。
司令塔となる国家情報会議と国家情報局の設置が決まったわけですが、次に想定されるのはスパイ防止法です。ちなみに、スパイ防止法という法律があるわけではなく、幾つかの法律を束ねてスパイ防止法と言っています。
国の情報の漏洩については、特定秘密保護法、重要経済安保情報保護法、不正競争防止法で罰則が定められており、これらの法律で今も十分カバーできています。では、何が問題なのかというと、予防的な活動ができないことです。先ほどのサイバー攻撃の話と同じで、被害を受けて初めて、情報を漏らした側に処罰を与える設計になっているからです。しかし、情報が漏れてしまっては意味がありません。どのように漏洩を予防するかという点をしっかり考える必要があります。
そのためには、様々な手段を使って情報を取りにきている外国のスパイを監視しなければなりません。現状でも監視は行われていますが、昔ながらの尾行です。一方、諸外国はそんな古臭い方法ではなく、通信傍受です。スパイが使っているスマホ、メール、SNS、チャットなどを監視すれば、何月何日の何時に誰と会うといった情報が全部分かります。今や通信傍受ができないと話にならないわけですが、日本では通信傍受に対するアレルギーが強いことに加え、日本国憲法第21条で「通信の秘密」がうたわれていることから、慎重な議論が必要です。ただ、日本国憲法は日本人に対するものであり、外国人に適用されるのかというと、またこれは別の問題になってくるため、そのあたりの議論も必要です。
今、具体的に検討が始まっているのは「外国エージェント登録法」と呼ばれるものです。外国勢力のために活動する組織、エージェントを登録するための法律で、未登録の団体を登録義務違反として取り締まるという建付けになっています。アメリカでは戦前の1938年に制定されていますが、スパイを野放しにするのはやはりよろしくないということで、近年はロシアやEUなどでも導入が進んでいます。
アメリカの外国エージェント登録法に従って一番登録している国は、日本です。日本人は真面目なので、司法省にきちんと登録をした上でアメリカでの活動を行っています。逆に少ないのは、こっそり活動しようとしているロシアと中国です。しかし当然、逮捕の可能性は高まります。実際に先日も、カリフォルニア州アルケイディア市の中国系の市長が外国エージェント登録法未登録で逮捕されました。
他にも検討が始まっているのが、オーストラリアなどで導入されている「外国勢力活動透明化法」です。これは、外国政府の代理人が許可なく政治家や議会関係者等にロビー活動を行うことを禁止するものです。今年3月、ロシア系の団体が衆議院議員会館内の会議室で反ウクライナの集会を開き、大きな問題になりましたが、少なくとも議員会館に自由に出入りできる今の状況はぬる過ぎるため、登録を義務付けようということです。
スパイ防止法の制定だけでもハードルはかなり高く、また、高市政権がどれくらい続くかということもあり、実際に創設できるかどうか分かりませんが、対外情報庁についても検討が行われています。対外情報庁とは、海外で情報収集を行う専門の組織です。イギリスは映画『007』シリーズでおなじみのMI6(秘密情報部)、アメリカはCIA(中央情報庁)など、各国はそれぞれ対外情報機関を持ち、日本をはじめ様々な国で情報収集をしています。日本だけがやっていないことから、その必要性が指摘されているのですが、今の日本にこのような組織を作ってうまく機能するかというと、やや疑問です。
特に人材の問題です。海外に出て行って情報収集できるような人がいるのか。しかも、それを何百人単位で集めるのはかなり難しいと思います。
法整備の問題もあります。そもそも日本にはインテリジェンス関連の法がなく、各省庁とも自身の所掌事務の延長、例えば外務省であれば外交政策、防衛省であれば安全保障、警察庁であれば公共の安全のために情報を集めるという建付けで、どうしても縦割りになってしまいます。対外情報庁を設置するのであれば、国家インテリジェンスの観点から、「インテリジェンス・安全保障基本法」「対日有害活動防止法」「安全保障・データ管理法」といった活動のための根拠法が必要ではないかと思います。
インテリジェンス改革の議論で必ず出てくるのは、民主的統制、つまり、いかにして情報機関の暴走を監視するかという問題です。現在、国会に設置されている情報監視審査会は、特定秘密保護法制定に伴って作られたもので、その権限は特定秘密保護制度の運用に限定されています。したがって、将来的には権限を拡大し、スパイ防止法の運用、そして、対外情報庁が創設された場合は対外情報庁の活動について、情報監視審査会が監視・統制を行う必要が出てくるのではないかと考えております。
時間になりましたので、私の話はここまでとさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○森本理事長 日本のインテリジェンスのリアルな状況を大変分かりやすく御説明くださり、ありがとうございました。
皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
それでは、私の方から。国家情報局というのは、各省にある情報を集め、それをインテリジェンスとして政府中枢に提供するというイメージだと思いますが、日本の課題であるサイバーについては、そもそも各省に情報があるのか。そのあたりの感度が十分でない可能性もあると思いますが、もっとしっかり情報を集めるよう励起するといった機能も果たすのでしょうか。
○小谷 サイバーセキュリティのために必要な情報を集めるのは、基本的には警察です。警察は警察官職務執行法に基づいて活動しますので、それをうまく使ってサイバーセキュリティに必要な様々な情報を集めるという建付けにはなっております。
○質問者A 投資審査の強化について、1点お聞きします。「そもそも日本政府内に、日本が保有する軍事転用可能な『機微技術』の全体像を把握している者がいない」という兼原氏のお言葉がありました。となると、先週、日本版CFIUS(対日外国投資委員会)創設に向けた改正外為法が成立しましたが、そういうものを作ったとしても運用できる人材がいるのでしょうか。また、外為法を所掌している財務省国際局と、買収に遭うかもしれない業界を所掌している省庁が協調しながら、本当に守るべき機微技術なのか、あるいは、機微技術がリスクにさらされるような買収なのかといったことを現状どこまで判断できているのでしょうか。先生の御経験から、そのあたりはどのように見ておられるでしょうか。
○小谷 2022年、内閣府に経済安全保障推進室が作られたことによって、各省庁が情報を出してくるようになり、そこで検討もできるようになりました。最近は、長らく消極的だった財務省にもいろいろかんでもらっているということで、ようやく経済安保に関わる役所の協力体制ができつつあるというふうに私は思っております。
○質問者B 日本では、過去70年にわたり実質的なインテリジェンス機関がなかったということですが、どのようにして分析情報を入手してきたのでしょうか。
○小谷 基本的には、同盟国のアメリカ頼りです。自分たちで手に入れられない情報はアメリカからもらうという形でやってきました。
○森本理事長 それは、外務省がアメリカに聞くということでしょうか。
○小谷 そこもやはり縦割りで、安保に関わる情報は防衛省・自衛隊、外交なら外務省、経済なら経済産業省と、それぞれがアメリカとやり取りしています。アメリカは全体の情報を持っていて、それを少しずつ切り取って日本に渡す。つまり、アメリカは全体像が見えているのに対し、日本はそれぞれの省庁が断片的な情報をもらっているため、全体像が全く見えていないということです。時にはそれがアメリカに操られる原因にもなってしまいます。
○質問者B 今から情報機関を作る場合、先生となる国はやはりアメリカでしょうか。
○小谷 日本政府はアメリカに面倒を見てほしいとお願いしたのですが、どうもうまくいかなかったようです。しかし、オーストラリアが、「分からないことは何でも聞いてください」と自ら先生役を買って出てくれているという話を聞いたことがあります。
○森本理事長 ちょうど時間となりましたので、本日の「資本市場を考える会」は以上とさせていただきます。
小谷様、明快なお話をありがとうございました。(拍手)
(本稿は、2026(令和8)年6月1日に開催した講演会での要旨を整理したものであり、文責は当研究所にある。)
略歴等
【略歴】
- 1996年 立命館大学卒業
- 2000年 ロンドン大学キングス・カレッジ大学院修士課程修了
- 2004年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)
- 2016年 日本大学危機管理学部教授(現職)
- 防衛省防衛研究所主任研究官、防衛大学校講師、英国王立安全保障研究所(RUSI)客員研究員、ロンドン・スクール・エコノミクス(LSE)客員研究員などを歴任。
【専門】
国際政治学、外交史、インテリジェンス研究
【主な著書等】
- 『日本軍のインテリジェンス-なぜ情報が活かされないのか』(講談社メチエ、2007年)『インテリジェンス-国家・組織は情報をいかに扱うべきか』(ちくま学芸文庫、2012年)
- 『インテリジェンスの世界史-第二次世界大戦からスノーデン事件まで』(岩波現代全書、2015年)
- 『日本インテリジェンス史-旧日本軍から公安、内調、NSCまで』(中公新書、2022年)
- 『教養としてのインテリジェンス』(日経ビジネス文庫 2024年)
- YouTubeで「小谷賢/インテリジェンス研究」を配信中。