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第3号(2026年4月)

記事 我が国の外務員制度
―歴史・制度・統計から見る現状とこれから―

横田裕(日本証券業協会 規律本部長)

〔要 旨〕

 日本証券業協会では,協会員の外務員の登録事務(登録,拒否,行政処分及び抹消等)を行っている。あわせて,自主規制として,外務員資格試験や資格更新研修の実施,外務員必携の制作,自主規制処分を行っている。
 外務員については,昭和16年に法律に基づき登録制とされた。その後,戦後まもなく施行された証取法では,民主化推進とあわせて登録制から届出制に変わったが,外務員による顧客との紛争等の事故が絶えず,これを背景として,昭和40年証取法改正によって登録制が復活し,あわせて,外務員の権限や証券会社の責任の範囲が法律上で明確化されることとなった。その後,平成3年に損失補塡等の証券不祥事が発生すると自主規制機能の強化が求められ,翌4年の公正確保法により,日本証券業協会は認可法人として改組し,登録事務の委任を受けることとなった。さらに,平成10年の金融ビッグバン,平成15年の証券仲介業導入,平成18年の金商法制定に伴う改正が行われた。
 外務員の資質確保のための自主規制の取組みとしては,昭和26年以降に資格試験制度が整備され,講習中心から全国統一試験,次いでCBT方式へと発展し,一種・二種区分や特別会員向け試験が導入された。外務員研修については,昭和57年に開始された営業員再研修制度が起点となり,平成16年に現在の「資格更新研修」が創設された。
 外務員処分制度は,行政処分(登録取消処分及び職務停止処分)と自主規制処分(不都合行為者の取扱い,職務禁止措置等)から成り,昭和3年から現在に至るまで,法令等違反行為者を排除するための枠組みが段階的に強化され,外務員等による法令等違反行為への厳正な対応を行ってきた。また,近年では,処分対象者の権利利益の保護を図るための聴聞・弁明等の各種処分手続を整備したほか,法令等違反行為の抑止や再発防止のための取組みとして,重大事案の処分の公表を開始した。

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