企業の社会的責任と社会的責任投資

特別展示図書［企業の社会的責任と社会的責任投資］

最近、企業の社会的責任（ＣＳＲ）に関心が高まっています。社会的責任論の背景には、企業も社会の一員として社会、環境などの諸問題に対し、政府、自治体と並んで解決に当たるべきであり、それが企業を取り巻くステークホルダーへの説明責任であるという考え方があります。わが国における社会的責任の実践例は、日本規格協会編『CSR　企業の社会的責任』に詳しく紹介されており、企業の環境、地域社会、コンプライアンスなどへのさまざまな取り組みを知ることができます。なお、日本の社会的責任論に対する批判については野口悠紀雄氏の著書を参照してください。

社会的責任に関する議論は、アメリカと日本では出発点が異なっているようです。アメリカの社会的責任論は、企業経営者が、株主、社会全体のどちらの負託を受けているのかという企業の本質的問題から出発しています。一方、わが国では、高度成長期の行き過ぎた企業行動の反省から企業の社会的責任のあり方が論じられているようです。いずれにしても、企業の社会に対する貢献や法令遵守姿勢が、企業価値評価に大きな影響を与えるようになっています。

社会的責任投資（ＳＲＩ）は社会的責任を基準に銘柄を選別投資することで、その起源は１９２０年台のアメリカにおいて、教会が倫理的規範に基づいて基金を運用したことに遡ると言われています。機関投資家を中心に社会的責任投資が大きく成長しました。最近、わが国でも環境問題への関心の高まりを背景にして、ＳＲＩ・環境をテーマにした投資信託が投資家の関心を集めています。

• 企業の社会的責任
• 社会的責任投資
• 企業倫理、コンプライアンス

１．企業の社会的責任

２．社会的責任投資

３．企業倫理、コンプライアンス