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証券経済研究 第97号(2017年3月)

日本における国債市場の流動性と日本型レポ市場

代田純(駒澤大学経済学部教授・当研究所客員研究員)

〔要 旨〕
 本稿は,日本の国債市場における流動性を,債券ディーラーと日本型レポ取引との関連において検討する。日本の財政に関連する指標は,国際的に見ても悪化してきた。また格付けに関しても,2000年代以降低下してきた。しかし,日本国債は近年まで,価格は上昇し,利回りは低下してきた。日銀トレード等を別とすれば,国債市場の流動性が国際的にみても,一定の水準にあったことが一因と見られる。日本国債の売買回転率は,2014年までは,ドイツ国債(ブンド)などと並ぶ水準にあった。
 従来,日本国債の流動性は債券ディーラーの売買によって支えられてきたと見られる。さらに債券ディーラーの頻繁な売買が可能になってきた要因として,日本型レポ取引による資金調達(ファイナンス)が,大きな役割を果たしてきたと見られる。
 しかし,2015年以降,売買回転率で見た国債市場の流動性は急速に低下している。日本の国債売買代金はレポ取引(売買形式)を含むが,レポ取引を除く一般売買で見ると,国債の売買回転率は2(200%,2016年)程度まで低下している。他方,ドイツ国債では売買回転率は4(400%,2015年)程度あり,日本と差が生まれている。

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