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証券経済研究 第94号(2016年6月)

トンプソン後のNIRI(全米IR協会)の進展

米山徹幸(埼玉学園大学特任教授)

〔要 旨〕
 全米IR協会(NIRI)は世界最大のIR(投資家向け広報)団体であり,長年にわたり,米国の内外でNIRIの動向に注目を集めてきた。本稿は,この10年間,NIRIの理事長&CEOを務めた4人を追って,その業績やIR業界の課題を検証する。
 2006年,1982年から24年間,文字通り「IR育ての親」と称されたトンプソンが引退。後継となったハンフリーズは2007年2月,在職7か月で突然職を辞し,2008年,新たな理事長&CEOにモーガンが就く。
 モーガンはリーマンショックなど金融危機のなか,ウェブサイトを見直し,会員向けに新たなメールマガジン「IR Weekly」や月刊誌「IR Update」の配信を行うなど会員と同時的な情報共有を積極的に図る。また米証券取引委員会(SEC)に機関投資家の空売り情報開示を求め,企業のIR業務を担うNIRIの立場からモノ申した。モーガンは2010年から3年連続,コーポレートガバナンス分野で最も影響力のある人物のリスト「NACDダイレクターシップ100」に選出され,その活動はNIRIに高い認知度をもたらした。
 米企業に株主となる海外投資家が増大するなか,モーガンはグローバルIRにも注力した。大中華圏の4都市でのIRセミナーを立ち上げる。また2014年6月にはIR資格認証(IRC)の施行計画を発表。さらに3年間NIRIの理事長&CEOを続行する契約を終えたとの報告があった。ところがその翌月,モーガンは全米クラブ・マネジャー協会(CMAA)のCEOに転出したのだった。
 15年3月,カダフィが理事長&CEOに就任。6月の年次大会では,会員の大きな関心が集まったIRCの実施スケジュールを説明。16年3月に試験を行い,4月に61人のIRC合格者が発表された。カダフィの時代がこれから本格的に始まる。

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