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証券経済研究 第90号(2015年6月)

ドイツ大手銀行の国際投資銀行業務と経営改革—2000年前後10年間の取組み—

漆畑春彦(平成国際大学教授)

〔要 旨〕
 ドイツ銀行最大手のドイツ銀行は,2000年代半ば,国際投資銀行市場において証券引受などで米大手投資銀行に比肩する実績を残すなど,同市場で最も成功した欧州金融機関の1つとされている。同行は,1989年末に英大手マーチャントバンクのモルガングレンフェルを買収したのに伴い国際投資銀行市場に本格参入したが,特に1998年秋の米有力投資銀行バンカーストラスト買収以降,当該市場での地位を着実に固めていった。ドイツ銀行の国際投資銀行業務の展開は,それら有力業者なしでは難しかったであろうが,同行の場合,単に欧州大手銀行として豊富な資金力をもって買収を行い,不慣れな業務を買収先に外注する形で補強しようとしたわけではなかった。特に1990年代半ば以降,ドイツ銀行は,伝統的な経営体質を改め,グループ組織や人材管理,報酬体系など自らを大胆に変革することを厭うことなく,BTの持つ金融技術を活かしつつ国際投資銀行業務を展開する体制を作り上げていった。1990年代半ばから2000年代前半の約10年間は,同行が,異文化のバンカーストラストを取り込むことを含め一流の国際投資銀行に脱皮することに腐心していた,経営戦略上極めて重要な時期であったと考えられる。本稿は,この時期における同行の投資銀行部門強化に向けた経営改革の一端について整理・検討するものである。

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