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証券経済研究 第87号(2014年9月)

地域別LCRの推計からみた地域金融機関の業務戦略

安井進(滋賀大学大学院博士後期課程)

〔要 旨〕
 地方の人口減少による市場規模の縮小が予想されるなど,将来の地域金融機関を取り巻く環境は厳しさが増すと報じられている。一方,リーマンショック前後の金融危機をふまえ,流動性リスクに対する規制強化が求められている。
 本稿では,2015年より適用予定の流動性カバレッジ比率(以下,LCR)の試算を通じ,地域金融機関の流動性リスクの状況を検証する。加えて,将来の人口動態をふまえた地域別LCRの推計を試み,LCRが銀行経営に与える影響について分析を行う。
 今後銀行規制の1つにLCRが適用された場合,自己資本比率規制と同様に内部管理の指標として利用される可能性が高い。現時点では預貸率が低いことから規制水準をクリアしている。短期的に地域金融機関の業務戦略に与える影響は軽微であると考えられる。
 一方,長期的な観点から将来の人口動態による預金減少を考慮すると,流動性リスクが高まる可能性がある銀行が存在するなど,地域別に異なった態様となることを予測した。
 本稿では,これらの結果をふまえ業務戦略の観点から,①資金調達手段の多様化,②顧客との取引関係強化,③資産ポートフォリオの見直し,合併・統合による効率化に焦点をあて,それぞれの有効性や問題点等について検討を行った。



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