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証券経済研究 第87号(2014年9月)

ARCH型モデルによる日経225オプションの実証研究に関するサーベイ

三井秀俊(日本大学准教授)

〔要 旨〕
 本論文は,ボラティリティ変動モデルであるARCH型モデルによる日経225オプション評価の実証研究に関してサーベイを行なったものである。ARCH型モデルは金融時系列データの非線形性をうまく捉え,金融市場の特性に合わせてモデルを拡張することが可能なことからオプションの実証研究に対しても有効であると考えられる。日経225オプションの実証研究で用いられてるARCH型モデルは,GARCHモデル,EGARCHモデル,GJRモデル,FIEGARCHモデルとこれらのモデルを応用したMS-GARCHモデル,混合正規EGARCHモデル,混合 t EGARCHモデルなどである。日経225オプションのようなヨーロピアン・オプションは,オプション評価を行なう際に,原資産となる日経225株価収益率のデータによりARCH型モデルのパラメータの推定を行ない,推定されたパラメータを用いてモンテカルロ・シミュレーションによりコール・オプション価格とプット・オプション価格を求めることができる場合が多い。実際にARCH型モデルによるオプション評価は,Black-Scholesモデルよりもオプション価格を正確に捉えることができるかどうか,また,どのARCH型モデルを利用することがオプション評価に適しているかどうかに焦点を当てサーベイを行なった。

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