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証券経済研究 第84号(2013年12月)

満洲証券取引所の設立と日系証券業者の満洲進出について

深見泰孝(当研究所研究員)

〔要 旨〕
 本稿は,満洲証券取引所の設立目的を明らかにするとともに,それが果たされたのか。また,満洲山一証券を事例に,満洲に進出した日系証券業者の営業活動を明らかにすることを課題とした。
 満洲証券取引所は,東京株式取引所が主導して設立された取引所である。その設立目的は,膨大な事業規模の満洲開発に伴う日本国内および満洲国内からの円滑な資金供給にあった。しかし,満洲証券取引所への改組後,売買高は従前より大幅に増加したが,それは日本国内で言えば,地方取引所の規模にとどまり,しかも,そこでの取引は,日本株の取引が中心であったため,当初描かれた目的が果たされたとは決して言えない。
 他方,満洲に証券思想を普及,定着させるべく東株が満洲進出を慫慂した日系証券業者の営業実態を見ると,取引所開設検討時から当分の間は売買が低調になることが予想されていたこともあり,日本株の自己売買が収益基盤に据えられていた。また,取引ニーズの高かった日本株は,親会社や支店網を通じて幅広く取引できるため,満洲の取引所を使う必要がなく,期待した日系証券業者からの注文が伸び悩んだため,取引所の売買高が伸び悩む結果となったと結論づけた。

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