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出版物・研究成果等

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証券経済研究 第69号(2010年3月)

投資家のセンチメントとIPOアンダープライシング

船岡健太(当研究所研究員)
増田芳宏(大和証券キャピタル・マーケッツ(株) コーポレート・ファイナンス第一部次長)

〔要 旨〕
 IPO時のアンダープライシングを扱う研究では,市況の影響を考慮する場合,マーケット全体のインデックスを採り入れているケースが多いが,市場全体のインデックスではIPO市場のセンチメントを捉えきることができないのではないかという問題提起をCornelli, Goldreich and Ljungqvist (2006)等が行っている。このような問題提起がなされているものの,IPO市場のセンチメントの測定に関してはこれまでに決定的な成果を得ていない。本稿では,IPO市場の状況を示すIPOセンチメント指数を独自に算出し,アンダープライシングに与える影響について実証的に考察を行ったところ,この指数がアンダープライシングに強い正の影響をおよぼしている結果が示された。特に,アンダープライシングの水準が高いIPOにおいてセンチメントの影響が顕著であり,これは投資家の非合理的な行動が公開価格と初値の乖離が大きいホットイシューを生み出している可能性を示唆するものである。

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