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出版物・研究成果等

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証券経済研究 第60号(2007年12月)

戦前期証券業者の形成と証券業務の発展

小林和子(当研究所主任研究員)

〔要 旨〕
 戦前期市場約70年の間に,日本の証券業者は相当の発展を見,証券業務の輪郭も明確になった。個人業者が流通市場業務の一部(取引所内の取引)を免許制で行うところから始まり,直ぐに取引所外の取引(無規制)が加わり,明治末期には一部は合資会社化し,債券引受・下引受業務も開始された。第1次世界大戦を経て大正後半には割賦販売業が免許制となり,証券業株式会社が登場する。自由市場時代にはこれ以上の規制は進まなかったが,準戦時体制下に,債券引受業と取引所外の取引(有価証券業)が一気に免許制となった。太平洋戦争下に金融統制強化の一環として,民間取引所の日本証券取引所への統合化とともに,取引員・有価証券業者の過激な整備が進められ,昭和20年6月には日本証券取引所を中核とする証券統制会が全証券業者を囲い込んだ。戦時統制が消滅した戦直後に残されたのは,企業整備により大規模化し法人化した証券業者の階層構造のみであった。

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