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証券経済研究 第57号(2007年3月)

戦前戦後の国債市場政策と現在の課題

小林和子(当研究所主任研究員)

〔要 旨〕
 発行者の側に立った国債発行管理の考え方は,明確に意識されなかったとしてもいつの時代にもあったであろう。明治初期に維新政府が海外市場発行を中断したのも発行管理政策ということができる。しかし,国債発行はそもそも市場がなくとも可能であり,市場に対して積極的な発行の意志表示を行う段階に至っても,市場仲介者,保有者,市場機能の発揮そのものを考慮せずに発行することも可能である。それは国債の証券性に係る特性で,国債発行者の特性から発するといえる。実際に,近代日本の国債発行の歴史130年余において,前半期には公募発行の例は少なく,流通市場も弱小であった。後半期の,直近30年においてのみ公募発行市場も大規模流通市場も存在する。発行者の資金調達希望に強く傾斜した国債政策の典型例が日本市場において現出したともいえる。戦前戦後の国債市場政策を跡付けて,現在の課題を解く基礎としたい。

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