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出版物・研究成果等

証券経済研究 第34号(2001年11月)

金融資産証券化に関する経済分析のサーベイ:経済分析の必要性と役割

原田喜美枝(大東文化大学専任講師・当所客員研究員)

〔要 旨〕
 日本の資産証券化市場に関しては,市場が急拡大しているにも関わらず,経済学の視点から分析したものはまだ非常に少ない。本論文では,米国において80年代から90年代にかけておこなわれた資産証券化に関する理論分析・実証分析のサーベイをおこなう。サーベイ論文を通じて,資産の証券化をおこなうインセンティブ,諸制度の影響等を説明する。理論モデルから導き出された仮説の妥当性の検定をおこなう実証論文の結果についても整理する。
 実証研究の整理を要約すると,証券化が何らかの効果をもたらすことはほとんどの研究者が認めているが,効果の表れ方については意見が分かれ資産証券化に関する仮説には競合するものがあり,検定結果の中にも競合するものがある。しかし,データ不備の問題から日本では資産証券化に関する経済厚生分析をおこなうことが困難であり,市場に内在する問題を経済学的に考察することができていない。今後の改善が望まれる。

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