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出版物・研究成果等

証券経済研究 第14号(1998年7月)

シンガポール証券取引所

沖宗浩和(東京証券取引所シンガポール駐在員事務所長代理)

〔要 旨〕
 1973年に設立されたシンガポール証券取引所(SES)は,取引の完全自動執行化や株券の無券面 化(スクリプレス化)をいち早く実施するなど,アジアの証券市場の中でもかなり進んだ取引制度を有していると言えよう。しかし,上場会社数,売買代金,時価総額などを見ると,徐々に拡大してはいるものの,いまだ十分な市場規模を有しているとはいえず,また流動性も決して潤沢ではない。この事は,人口が300万人,GDPが日本の2%にも満たないシンガポールという国の狭小さに起因していると思われる。そのため,SESは,従来から限界的な国内企業を補完するため,外国企業の上場誘致を積極的に行ってきている。また,最近では,日本のビッグ・バンや香港,上海,台湾等のアジアの金融センターとしての台頭に対抗するため,シンガポールの長期的な競争力強化に向けた検討委員会が設置され,上場基準の見直し,外国企業の上場促進,委託手数料の自由化など広い範囲にわたる制度改革案が提言されるなど,証券市場拡大に向けた様々な試みが行われている。

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