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出版物・研究成果等

証券経済研究 第14号(1998年7月)

シンガポールの金融市場

中村一彌(大阪国際女子大学教授)

〔要 旨〕
 シンガポールの金融制度は,内外金融遮断とシンガポール・ドルの非国際通 貨化という原則に基づいて運営されており,これはシンガポールの国力と,金融仲介地としての機能発揮にうまく適合していると言える。
 金融の監督については厳正かつキメ細かく行われており,それを受けて銀行の仕振りは概して節度に富み,自己資本比率なども高い。また外国銀行の進出についても厳選主義がとられている。
 銀行の証券業務については子会社方式による全面参入を認めており,利用者の利便性に支障はなく,監督は細部にまで行き届いている。
 金融仲介機能の発揮のためのACUマーケットもよく機能しており,これらがあいまってシンガポール金融市場が東南アジアの金融中心地の機能を果 たしながら,今回のアジアの金融危機の波及を最小限に止めているのも故なしとしない。

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