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証券経済研究 第107号(2019年9月)

米国における資本形成の変遷:公開市場と私募市場

若園智明(当研究所主席研究員)

〔要 旨〕
 米国を観察すると,上場会社数の減少や株式の新規上場(IPO)の低迷などが問題視されており,一見すると資本市場の機能が減衰しているかのようにみえる。その一方で,金融危機後の米国経済を牽引したGoogle(Alphabet)やAmazon等の巨大資本を有するビッグ・テック(GAFA)の他に,Unicornと呼ばれる多数の新興企業も米国内で産み出されている。
 Unicornとは,未上場にもかかわらず時価総額が10億ドルを超える新興企業を指す造語であるが,2019年には自動車配車を本業とするUber Technologiesを筆頭に,複数のUnicornがIPOに臨むことも予想されている。なぜ米国は,Google等のGAFAに加えて多数のUnicornを産み出すことができるのであろうか。
 シリコンバレーを中心として,技術開発や専門人材の圧倒的な集積が背景にあるのは間違いが無いが,成長力のある新興企業の発展段階に適した資本を提供可能とする市場システムが存在することは無視できない。本稿は,米国の資本形成の現状と変遷を観察するが,公開市場(国法証券取引所)の分析とともに私募市場の近年の発展について,特に連邦法や規制・規則を中核に置いた分析を加える。
 ただし,金融危機以降に各国中央銀行が実施した量的緩和政策等により投資資金の余剰状態が続いていることが資本市場にも多大な影響を与えていることを最初に留め置く。

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