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証券経済研究 第104号(2018年12月)

トランプ時代の米国金融規制—ボルカー・ルールの再評価—

若園智明(当研究所主任研究員)

〔要 旨〕
 本稿は,通称ボルカー・ルールを考察対象とする。米国内で進む金融規制の見直し活動の一環として整理するとともに,特に自己勘定取引を原則的に禁止する事項に焦点を当てて同規則の再評価を試みる。米国では,17年1月に発足したトランプ政権が発した大統領令および大統領覚書が契機となり,財務省等の行政府が金融規制を含めた規制全般の見直しに着手している。一方で現在の第115回連邦議会では,超党派での支持を受けてDF法の柱の1つであるマクロプルーデンス関連規制を修正する法律が通過しており,金融規制の協調的かつ現実的な見直しが進められている。
 ボルカー・ルールを担当する5つの連邦監督機関が18年6月に公開した同規則の修正提案を見ると,その中核には過去に拙稿で指摘した複数の問題への対応がある。最終規則の段階でこれらの問題が放置されていたことは米国の金融規制の制定過程の不備と言え,最終規則の適用が資本市場に外部不経済をもたらしていた可能性も指摘される。最終規則の全面的な適用は15年7月であり,僅か3年程度で公式に修正が表明された点は注目すべきである。
 本稿は,第2節で最終規則の主な構成とともに,先行研究を引用しボルカー・ルールが資本市場に与えた影響を整理する。第3節では連邦議会および現政権(行政府)の対応。第4節は,5つの連邦監督機関が公開した修正提案を分析する。

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