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証券経済研究 第109号(2020年3月)

状態選好アプローチの企業の投資判断への応用:資本コストの代替手法

田代一聡(当研究所研究員)

〔要 旨〕
 本稿は資本コストの代替手法である,状態選好アプローチを紹介する。
 近年,資本コストが重視されるようになってきたが,資本コストが正しく認識するのは困難であるように思われる。
 資本コストの目的が,儲かる投資を行い,損する投資をしないという投資の判断にあるとすれば,この目的を達成するために資本コストに固執する必要はない。
 そこで状態選好アプローチを紹介する。状態選好アプローチは,投資プロジェクトの現時点での市場での評価額を算定する手法である。この手法は資産価格理論の標準的な手法の一つの形態であるといえる。
 算定されたプロジェクトの評価額と投資額を比較することで,投資を行うべきかの判断を行えるのである。
 この発想自体は半世紀以上前からあり,Hirshleifer[1966]がある。しかし,その後の資産価格理論の標準手法の発展の成果を,状態選好アプローチに適用して企業の投資判断へ応用を検討した文献は見当たらない。この論文の目的はこのミッシングリンクを埋めることにある。
 また,このアプローチを実務へ応用するのにあたり,多少の議論を加える。

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